ともだち

台風が近付いて、そわそわしたりわくわくしたりしてる。じめじめは嫌だけど、昨日やっと風呂場に居たなめくじを可愛いと思えて、わたしは彼女に注意をした。彼女にマイマイと名付けた。

わたしの家には6匹の猫が住んでいる。彼等は、虫でもビニールでも遊具にしてしまう。わたしはそれがあんまりだと思い、大きな声を上げる。だが、彼等は言葉がわからない猫のふりをするのだ。とびきりの演技力にわたしはつい、笑ってしまう。虫は無残になりビニールはサッカーボールと化して、彼等の暇を埋める。だから、わたしはマイマイに強く注意をした。マイマイは理解したと同時に触角をふいふいと動かした。

6匹の中でも覆面のふくちゃんは、虫を「ともだち」と呼び、丸っこい大きな目を揺らしながら誘いだす。厄介な実力派女優だ。マイマイには特にふくちゃんに注意するよう言ったが、彼女は誘惑に打ち勝てるのだろうか。わたしは心配で、外が明るくなるまで眠れなかった。


今朝、洗面所に行った。

マイマイの存在は無かった。

ふくちゃんは、草を黙々と頬張り横目でわたしをちらりと見る。真意は分からないが、また、なめくじが現れたら、わたしはマイマイと名付けようと思う。