瞬き

 

水面の粒子が極僅かにずれて、崩壊していく様をわたしは此の目で見ていた

個体にもならず、気体にもならない粒子は、不安定なまま浮遊していた

掴む。

掴みきれない何かに触れながら頷く

泪。

目元に溜まり、上睫毛を撫でて空に舞っていく

見上げるといっそうと滴は舞っていく

海中の酸素のようだと、泡のようだと

わたしは息をしているのだと

気付き、泣いた


朝はこんな始まりだった

粒子が挨拶を繰り返すからわたしはそれに努めた

骨が軋んだ

それが合図だと悟る

本質を見破られないように馬鹿になる

薄っぺらい人格になる

人格キーケースには、細長い神経が並んでいる

どれもわたしだが

どれもわたしではない。