生き物

 

道路に腕が出ていた。それは遠目から確認できた。

指が無造作に動いていて、色は上から黄土色のグラデーション。

わたしは、視点を外さないように近づいた。

外したら消えてしまうようだった。近づいても、激しく動く。

無意識に手を掴んで引っ張ってみた。勢い良く。

だが、それは、枯れ葉のように粉々になってきえてしまった。

今自分が何をしていたのかさえ、わからなくなった。

次の日、わたしはまた道路から出た腕を見た。

昨日とは違い、指は動いていなかった。

生きている感覚がなかった。

わたしは死体を見たかのように、急に鼓動が早くなり恐怖感と安心感に包まれた。

すぐに走った。

息が切れてきたときに振り返ると、

もうなにもなかった。